基礎知識として。

強制執行というものの流れを書きます。

「明け渡せ」という内容の債務名義を取り。

それを基に執行申立をすると。

2週間以内に予告のため臨場。

法律上、正式には「催告」と言います。

予告という言い方は、その昔。

催告制度がなかった頃の名残。

ベテランの執行官は今でも予告、予告と言います。

今では、その頼りになるベテランが絶滅危惧種だけど。

予告時、相手方が留守であれば。

外観上の占有が確認できることを条件に。

専門の解錠技術者に鍵を開けてもらって立入。

そして相手方の占有を確認、認定。

占有認定出来たら、断行日を予告。

動産差押の申立が付いていれば。

差押物が存在するか検分。

ここでポイントは。

予告の手続の最も重要な部分は。

相手方の占有を認定するということ。

これが全てと言ってもいいかな。

そして。

この予告日は相手方債務者に知らせちゃダメ。

なぜか?

例えば。

予告に来る日が分かってて。

相手方が確信犯のワルだった場合。

予告日だけ。

玄関の表札を別人に替えて。

留守(居留守)にしておくと。

執行官は何もせず帰ってしまいます。

これは、表札が替わってしまったことで。

先程書いた。

「外観上の占有」が確認できない状態。

になってしまったから。

すると、解錠作業に着手することができません。

昔はそれでもエイ、ヤー、で鍵、開けちゃう。

剛毅な執行官が多かったけど今はね。

サラリーマンみたいな執行官が多いから。

また通常、明渡予告と同時に行う動産差押についても。

例えば、予告の日(差押の日)だけ。

貴重品を他所に移しておく。

なんてこともされてしまいます。


そんなの、予告日教えなきゃいいんやろ。

と思うよね。

なんで教えるん?

それは。

最近の鍵の難易度に関係があります。

昔と比べて本当に解錠の難易度が上がりました。

鍵屋受難の時代です。

防犯第一で作ったばかりに、鍵屋ですら開けられない。

だから。

いついつ執行に行くから部屋で待っとれ。

という訳のわからん話になることが多い、と。

普通の大家は合鍵もってるんじゃない?

そう思いますよね。

そのとおりでもあり、そうでなくもあり。

ウチに執行を依頼してくる大家サンは。

コンプライアンス意識の高い方が多いです。

そんな意識の大家サンに限って。

マスターキーや合鍵、作ってないんですね。

マスターや合鍵が存在するってだけで。

何か起こったとき。

容疑者にされる確率がグンと上がるということを。

経験上知っているからです。